会社の健康診断で生活習慣病一歩手前と判断されました。
さて、どうしようと考えていた時に通勤電車の車窓から駅ホーム向かいの看板が見えました。
フィットネスジムの看板です。妙齢のシェイプされた体躯が映っていた写真もありました。
この駅の駅前にあるらしい。
善は急げです。とにかく降りてみました。
通勤経路の途中にあるから交通費はかからないし、まして駅前だ。時間もかからないと思いました。
近くに行って見てみるとこの私鉄の会社が運営しているフィットネスジムでした。
ジムの格としては十分でした。
とにかく見てみようと受付で入会のための見学をしたい伝えると、カウンターの中から背の高い色白のうりざね顔の美人が笑顔で出て来ました。
彼女です。
今の私の妻です。
ジムエリアを案内して貰うと、こじんまりしています。
東証一部上場のフィットネス会社が運営しているとは思えません。
すると、彼女が小声で言いました。
元々はこの私鉄の福利厚生の施設だったものを一般開放して営業しているからだとこれも笑顔でさらりと言言ってのけました。
気に入りました。すこぶる爽快です。
この娘の言動と態度で私は入会を決めた。
この時点ではこの女性と結婚することになるとは思いもしませんでした。
その貧弱な古びたトレーニングマシンと昼間は子供のスイミングスクールで使用されている20メートルのプールを平泳ぎでひたすら泳いでいると、
監視台から、笛の音です。ターンしようとするとプールサイドから肩を叩かれました。
「一生懸命泳ぐのはいいのですが、女性会員さんのすぐ後ろを平泳ぎはダメです。苦情が出てます」
むっとして、ゴーグルを外して水の中から見上げると、入会の見学の時案内してくれた彼女でした。
「すぐ後ろを泳ぐのは気を付けるが、私は平泳ぎしかできない」と言うと、
「じゃ、私が教えてあげます」
そのまま、彼女から平泳ぎ以外の背泳ぎ、バタフライ、クロール(自由形)教わって」、すべてできるようになりました。
そして、体重は75㎏から63㎏になりました。
翌年の佐渡島トライアスロン大会に出場し、ゴールテープを切ったところでプロポーズしました。
そして彼女は私の妻になりました。